
女性ホルモンってどんなもの?
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類が、女性ホルモンと呼ばれます。ホルモンバランスが乱れると生理不順などが起こります。更年期とは閉経の前後10年間のことを差します(50歳で閉経する場合、45歳~55歳が更年期になります)。
更年期になると女性ホルモンの量ががくんと減少し、それによって身体に色々な不調などが現れます。この不調が更年期障害と呼ばれるもので、症状はイライラや無気力感、うつ症状に不眠、身体のほてり、冷え、めまい……など様々です。更年期障害の症状は人によって種類も程度もかなり異なります。
ハーブ、ハーブティーは女性ホルモンを整える
ハーブの中には、ホルモンバランスを整える効果のあるものがあります。更年期の諸症状が気になっている方は、生活にハーブを取り入れてみてはいかがでしょうか。今回は更年期障害の症状を緩和させてくれる効果が期待できるハーブと、ハーブティーにする際のおすすめのブレンドを、それぞれ5種類ずつご紹介していきます。
更年期障害に効果的なハーブ 厳選5選!
更年期におすすめのハーブ【マリーゴールド】

マリーゴールドは、抗炎症作用やホルモン様作用のあるハーブです。血行を促進させて発汗を促す作用もあるので、風邪などの症状があるときに使われることもあります。更年期の諸症状が気になるときや、生理痛などの緩和にも効果が期待できます。
またマリーゴールドはメジャーなハーブで、入手しやすいというメリットもあります。ティーとして淹れたときの、特徴的な美しい黄金色の水色も魅力的ですよ。ちなみにマリーゴールドはキク科のアレルギーを持っている方にはNGな場合があるので、アレルギーがある方は注意してください。
更年期におすすめのハーブ【アンジェリカルート】
アンジェリカルートは、ヨーロッパにおいては「天使のハーブ」と呼ばれ親しまれているハーブです。アンジェリカルートは更年期障害の症状やPMS・生理痛の緩和に高価が期待できると言われているので、女性ならではの心身の不調のときに使うのに向いています。また血行促進効果もあるので、冷え性の方にもおすすめです。
アンジェリカルートは風味にやや苦みがあるため、ティーとして飲む場合にはシングルで淹れるよりも、他のハーブとブレンドするのがおすすめです。またアンジェリカルートティーを飲んだ後に、長時間日光に当たるのは避けるようにしてくださいね。また妊娠中の場合は、使用を控えましょう。
更年期におすすめのハーブ【ホップ】

ホップは、ビールの香りづけに使用されることで有名なハーブです。ホルモン様作用に優れているため、更年期障害の症状がつらいときや、生理痛の緩和などに効果が期待できます。また鎮静作用もあるので、更年期障害の症状の一つである不眠や不安感を改善したいときに使うのにも向いています。
ティーにしたときのホップの風味は、苦みがありやや独特です。シングルよりも、ブレンドした方が飲みやすくなるでしょう。また男性が飲む場合には注意が必要であるとも言われています。
更年期におすすめのハーブ【オートムギ】
オートムギは、ビタミン・ミネラル・タンパク質などの栄養素を多く含んでいるハーブです。神経系に作用する効果が強く、強壮効果が期待できるため、更年期のうつっぽい症状や気分の落ち込みなどが気になるときに使用するのに向いています。またゆるやかな発汗作用もあるため、冷え性の方にもおすすめです。
オートムギはあまり癖のない青っぽい風味で、シングルでもブレンドでも飲むことができます。良い意味で邪魔にならない香りと味わいなので、風味が強めのハーブとブレンドしてもOKですよ。ティーとして飲むだけでなく、料理などにも使いやすいハーブです。
更年期におすすめのハーブ【バレリアン】

バレリアンは、鎮静作用があり神経を穏やかな状態に整える効果が期待できます。更年期障害の不安感や不眠を改善する効果が期待できるので、心の症状が気になるときに適しているハーブと言えるでしょう。眠る前に飲むハーブティにもおすすめです。また緊張からくる腹痛や頭痛などにも効果が期待できますよ。
バレリアンは癖のある苦みがある上に香りも独特なので、ティーとして飲むときには他の飲みやすい香りのハーブとブレンドすることをおすすめします。香りが強めのハーブなので、ブレンドする際には最初は少量から始める方が良いでしょう。また妊娠中の使用は避けてください。
更年期障害に効果的なハーブティー 厳選5選!
おすすめハーブティー【バレリアン+ラベンダー】
鎮静作用のあるバレリアンと、リラックス効果の高いラベンダーを組み合わせたブレンドティーは、更年期特有の不安感が気になるときにおすすめです。また眠れない夜にホットティーをゆっくりと飲むのも良いでしょう。気持ちをほっと落ち着かせる効果が期待できますよ。バレリアンは香りが独特ですが、フローラル調の香りのラベンダーと組み合わせることによって、ぐっと飲みやすくなります。
おすすめハーブティー【オートムギ+チェストベリー】
気分の落ち込みを改善させてくれる効果が期待できるオートムギと、ホルモンのバランスを整える効果のあるチェストベリーを組み合わせたブレンドティー。オートムギもチェストベリーも癖のない香りのハーブなので、あっさりとしていてとても飲みやすいです。また、ここにさらに別のハーブを組み合わせても良いでしょう。
おすすめハーブティー【ホップ+パッションフラワー】
ホルモン様作用のあるホップと、いらいらや緊張感を緩和させてくれる効果が期待できるパッションフラワーのブレンドティーは、更年期のイライラやもやもや感が気になるときにぴったりです。ホップにはやや香りと味に癖がありますが、パッションフラワーはシンプルで穏やかな風味なので、比較的飲みやすいのではないでしょうか。
おすすめハーブティー【マリーゴールド+レモンバーム】
ホルモン様作用と発汗作用のあるマリーゴールドは、リラックス効果の高いレモンバームと合わせて。柑橘系のすっきりとした味わいのティーは、気分がいまいち優れない日にもおすすめです。香りも良く、ハーブティーを飲みなれていないという方でも飲みやすいブレンドです。
おすすめハーブティー【アンジェリカルート+サフラワー】
女性特有の悩みの緩和・改善に効果が期待できるアンジェリカルートと、冷え性や更年期障害の症状に効果のあるサフラワーのブレンドです。身体の冷えが気になる方にもおすすめですよ。やや苦みのあるアンジェリカルートも、やわらかいフローラル調の香りがやさしいサフラワーと組み合わせれば、かなり飲みやすくなります。
他にはこんなハーブもおすすめ
リラックス効果が期待できる【オレンジブロッサム】
オレンジブロッサムは、オレンジの花びらを乾燥させて作られるハーブです。濃厚かつ穏やかな柑橘系の香りは、高いリラックス効果が期待できます。不眠で悩んでいる方や、落ち着かない気分のときにおすすめのハーブです。香りが良く飲みやすいので、他のハーブとのブレンドにも向いていますよ。またストレス由来の頭痛や腹痛といった身体症状を緩和させてくれる効果も期待できるそうです。
やる気がでないときに【ローズマリー】

ローズマリーは料理などにも使われるメジャーなハーブなので、知っている方も多いのではないでしょうか。ローズマリーは脳の働きを活性化させる効果が期待できるハーブで、理由なくやる気が出ないときに飲むと気持ちをすっきりさせることができるでしょう。また血行を促進させる効果があるので、冷え性で悩んでいる方やむくみが気になるときにもおすすめです。お風呂に入れるのも効果的です。
ローズマリーは妊娠中の方と高血圧の方は使用に注意が必要です。心配な方は事前に医師に相談するようにしましょう。
イライラやもやもやが気になるときに【ペパーミント】
ペパーミントはスーッとした清涼感のある香りが特徴のハーブです。ミントの香りはなじみ深いため、ハーブティーをあまり飲みなれていないという方にもおすすめできます。ペパーミントにはリフレッシュ効果があるため、気持ちがもやもやするときやすっきりしないときに飲むと良いでしょう。また消化を促進させる効果もあるため、油物を食べたときに食後にミントティーを淹れたり、胃の調子が悪いときに活用するのもおすすめです。他のハーブとブレンドしやすく、かなり使い勝手の良いハーブと言えるでしょう。
ストレスを緩和させ気持ちを落ち着かせる【リンデンフラワー】

リンデンフラワーはストレスを緩和させて、心身をリラックスさせる効果が期待できるハーブです。気持ちが落ち着かないときや、不眠で悩んでいるときに適しているハーブと言えるでしょう。リンデンフラワーの風味はほのかに甘く、癖がないため飲みやすいです。
若々しさを保つためにもおすすめ【ルイボス】
ルイボスティーはかなり有名なので、知っている方や飲んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。ルイボスは抗酸化作用が高く、若さを保つハーブとしても知られています。代謝を高めて冷え性などを改善する効果も期待できるため、女性に嬉しいハーブであると言えます。やや麦茶に似た飲みやすい風味で、ハーブティーをあまり飲みなれていない方でも親しみやすいはずです。アイスティーにすれば、ごくごく飲めるハーブティーですよ。飲みにくいハーブのブレンド用としてもおすすめできます。
ハーブだけだと飲みにくいときは紅茶や緑茶と組み合わせても

ハーブティーをあまり飲みなれていないという方や、ハーブだけだと飲みにくく感じる場合には、紅茶や緑茶などとブレンドするのも良い方法です。紅茶や緑茶をプラスするだけで、ぐっと飲みやすくなります。甘いドリンクが好きな方であれば、はちみつなどをプラスしても良いでしょう。またアイスティーで楽しむのであれば、100%のフルーツジュースなどとミックスして楽しむ方法もあります。色々な組み合わせを試して、美味しく飲めるブレンドを見つけてみてはいかがでしょうか。
ハーブティー以外のハーブの活用方法
ハーブはハーブティーとして飲む以外にも、色々な活用方法があります。手軽なのが、入浴剤の代わりにお風呂に入れる方法です。あらかじめハーブティーを淹れるときのように抽出しておいたもの(ハーブティーとして飲むときよりも濃いめに淹れることが大事)をお風呂に入れても、ドライハーブをお茶パックなどに詰めてバスタブに入れてもOKです。複数の種類をブレンドしても良いでしょう。
また「ハーブティ用に買ったけど、味が苦手で飲みきれなかった」というようなハーブを、お風呂用にするのも良いですね。ハンドバスやフットバスならより手軽にできます。
ハーブを取り入れるときに注意したいこと
アレルギーなどに注意して使用することが大事
ハーブを生活に取り入れる際には、気を付けたいポイントがいくつかあります。まずアレルギーに関してです。植物アレルギーを持っている方は、使用しようと思っているハーブが該当しないかどうかをしっかり確かめたうえで、ハーブティーなどを飲むようにしてください。また妊娠中の方はより注意が必要です。今回ご紹介したハーブは更年期障害の症状への効果が期待できるものが中心で、ホルモン様作用のあるものが多いため、妊娠中の方は基本的にNGとなっています。
飲みすぎNG。ハーブティは楽しむ範囲で飲むようにしましょう
また効果をしっかり得たいからと言って、ハーブティーを飲みすぎるのもNGです。紅茶やコーヒーを飲むような感覚で、気軽に楽しむ程度が良いでしょう。そこまで神経質になりすぎる必要はありませんが、目安として同じ種類のハーブを使ったティーは、一日に1~2杯程度にするのがおすすめです。
症状がひどいときにはきちんと病院へ
またハーブはいくら効果が期待できると言っても、医薬品ではありません。更年期障害の症状がひどい場合には、きちんと病院へ行くようにしてください。またハーブを使用していて何か気になることがあった場合や、不調が起こってしまった場合にも、速やかに医師の診察を受けるようにしてくださいね。
ハーブ、ハーブティーで女性ホルモンのバランスを整えよう
更年期のときにおすすめしたいハーブやおすすめのブレンドハーブティーなどをご紹介してきましたが、いかがでしたか。これを機に、ハーブを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。ハーブで少しでも更年期の辛い症状を和らげて、毎日を生き生きと過ごしましょう!