
断捨離とは
断捨離とは、読んで字の如く『必要のないものを断ち、捨てることで、執着することから離れる』という意味を表すもので、単なる片付けではなく、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的の整理法です。
- 断 入ってくるいらない物を断つ
- 捨 家にずっとあるいらない物を捨てる。
- 離 物への執着から離れる
元々はヨーガの行法「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」の発想から生まれたもので、単なる片付け術とは違うものと言われています。2010年には流行語大賞に選ばれるなど、世間でもおなじみの言葉となっています。皆さんも一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
聞いてみただけでなく「やった」という人も周りにいることでしょう。じゃあ、私もモデルハウスみたいにスッキリした部屋にしたいな、と断捨離に取り組もうとした過去もあるかもしれませんね。
ところがこの「断捨離」、やってみた人ならわかることかもしれませんが、意外に継続することが大変なのです。なぜ「断捨離」は大変なのでしょうか。
断捨離が続かない原因ってなんだろう
完璧にやろうとする
過去に断捨離を決意して挫折してしまった事があるという方もいらっしゃるかもしれません。断捨離が続かない原因はなんなのでしょうか?
断捨離が続かないという方に多いのが『完璧にやろうとしすぎる』ことです。また、『早く物を減らそうと焦ってしまう』ことも原因になるようです。
断捨離は、断つ・捨てる・離れるの3つの意味がありますが、どうしても『捨てる』イメージが先行してしまっており、「まずは捨てないと!」と意気込んでしまう方も多く、それが続かない原因になっている事が多いようです。
急いでやろうとする
断捨離で最も注目されるのは「捨てる」ことだと思います。それが結果ですから、気になるのは当然ですね。
ですが断捨離は単なる片付け術ではありません。
捨てると同時に、その捨てるモノへの執着から離れることが、最後のステップです。そこを見落として「捨てなきゃ」「早く終わりたい」「結果を出したい」と焦ると、単なる片付けとなってしまいます。
断捨離で最も苦しい「離」、すなわちモノへの執着から離れることが中途半端になってしまう可能性があるのです。
なぜ断捨離をしようと思ったのか。そのことを思い出しましょう。そして急いでやること、結果だけを求めることはやめましょう。断捨離は新しい自分になるための方法です。片づけ術ではありません。
新しい自分になるためには、捨てようとしているモノを、買ったり手に入れた時の、過去の自分を見つめることが必要です。そして現在の、断捨離をしようとしている自分も、見つめましょう。
何が苦しいですか?どんなことを辛いと感じていますか?その辛さを記録しておくことで、今の自分と、なりたい理想の自分との差が見えてきます。埋めなければいけないものが見えてくるでしょう。
このステップを経て、初めて「片づけ術」ではない、本当の「断捨離」ができ、新しい、なりたい自分になることができるのです。
真面目な方ほど、完璧にやろうと思ってしまいつらくなり途中で挫折してしまう傾向にあるようです。断捨離はつらいものではありません。つらいと思っていた断捨離を楽しく続けるコツをご紹介します。
断捨離ができた後にすっきり感を想像する
まずは、断捨離をする前にゴールを明確にする事が重要です。あなたは、断捨離を通じてどんな自分になりたいですか?冒頭で説明した通り、断捨離はただの片付け術ではありません。断捨離を通して、物に対する執着を解き放ち「こんな自分になりたい!」を実現していくものなのです。
まずは、こうなりたい!と思った憧れのあなたがどんな部屋でどう過ごしているのかをイメージしてみましょう。きっとシンプルですっきりとしたお部屋で過ごしているのではないでしょうか?まずは、そのイメージを固める事が、断捨離成功の第一歩です。
「断捨離ノート」を作って見える化をする

あなたはなぜ「断捨離をしよう」と思い立ったのでしょうか。本当に必要で、自分の趣味に合うものだけに囲まれた暮らしをしたいからではないですか?
断捨離記録ノートを作って、最初に「断捨離をしよう」と思った時のきっかけを書いて「目標の見える化」をすることも大切です。
イメージに加えて、思い立ったきっかけ、そして目標を見える化をすることは、断捨離が辛い、と思った時の助けになります。断捨離なんて止めてしまいたい、と思った時でも継続する力になります。
断捨離で最もつらいのは「離」ではないでしょうか。捨てようとしているモノにまつわる記憶や気持ちは「捨てる」という行為への強力な足枷になります。けれどもその「離」というモノにまつわる執着から離れることが、断捨離の目的でもあります。
好きだったから、憧れだったから、欲しかったから買ったもの。当然思い出も思い入れもあります。それを手放すのですから、ブレない目標を立て「見える化」することが必要です。
こんな部屋がいいな、というイメージが固まったら、それに近い部屋の写真やイラストなどを保存しましょう。できればすぐにみられるように「断捨離ノート」に貼っておくといいでしょう。
なりたい部屋をみてイメージを高める
なりたい自分のイメージが出来たら、今度は具体的にどんな部屋にしていきたいかをイメージしてみましょう。断捨離はつらいと言われますが、断捨離を通して自分が過ごしたいと思える部屋にする事が出来たら、きっと楽しいですよね。どうですか?こんな部屋がいい!というイメージはできましたか?少しずつ楽しくなってきたのではないでしょうか。断捨離はワクワクしながら進めていくものなのです!
好きな音楽をかけて進める
さあ断捨離を始めましょう!その前に、自分が一番気分が上がると思うBGMを用意しましょう。断捨離がつらくて続かないという方は、断捨離を苦行のように感じてしまっているかもしれません。つらいと思われている断捨離のモチベーションを上げるためにもまずは気分を高める事がとても重要なんです。
洋楽や邦楽、クラシックからHIPHOPまで好みの音楽をかけながら断捨離を始めましょう。
少しずつ進める
当たり前と思われるかもしれませんが、断捨離は少しずつ進める事がモチベーションを保つ秘訣となります。断捨離をつらいものと思う方は、断捨離を一気に進めようとしてしまう傾向にあります。『早く終わらせたい!』と思うとついつい焦ってしまいますが、断捨離に焦りは禁物です。一つ一つ進めれば必ず終わります。それよりも焦って一気にやろうとしてしまい、断捨離=つらいと思ってしまうとせっかく進めた物が台無しになってしまいます。
まずは、少しずつ進めて見ましょう。
断捨離を少しずつする理由
「捨てる」という行為は簡単そうに見えて、実は大変なものです。
なぜならモノを捨てる、ということはそれにまつわる思い出も捨てる、ということだからです。「これ、高かったのを思い切って買ったのよね」「これは旅先で買ったのよ」「これはXXXさんからのプレゼントだった」などなど、モノについている記憶が「捨てちゃってもいいの?」と問いかけてくるのです。
ですから断捨離のためには、モノについている記憶、そこから思い出される色々なストーリーと闘わなければなりません。正に「離」のモノに対する執着から離れる、という部分に負けて、断捨離を挫折してしまう人が多いのではないでしょうか。
それは人間として当然の反応なのです。モノが無くなったら、思い出までも無くなってしまうような気がして、怖いのです。
人間も動物の一種ですから、現状を変えることに漠然とした不安を持つのが当然です。今そこにあるモノ、それにまつわる記憶を捨てる、ということは、現状を変える、ということです。
それは自然に放っておいてもできることではなく、意志の力が必要なのです。意志の力を強く持つことで、ようやくモノを手放し、記憶や執着も手放す「離」が完成します。このように断捨離は、人間本来の「今ある状況を変えたくない」という傾向と真逆の「今を変えて、新しい自分になる」という大変な取り組みです。
ヨーガの「教え」となっているのも、これで理解できますね。
完璧を求めすぎない
断捨離がつらいという人は完璧主義の人が多いように思います。完璧主義の方は、理想が高く、その事自体はとても良い事なのですが、完璧を求めてしまうと理想と現実のギャップに耐えられなくなってしまいます。
理性的な基準を作って継続的に
また「捨てたいけれど、捨てる勇気が持てない」という場合もあります。この場合、理性的に「断捨離の基準」を作ることをおすすめします。
例えば「過去3年以内に一度も使っていないモノ」「購入価格に関わらず既に古いデザインになってしまっているモノ」「あってもなくても生活に支障のないモノ」など、客観的に判断できる基準を作ると、断捨離が楽になります。
例えば洋服類の場合、まずは「過去3シーズンであまり/ほとんど使わなかったもの」を選別し、箱に収める。そしてもう1シーズン待って、やはりその箱の中身が無くても困らない場合には、もう箱の中を確認せずに捨てる、というやり方がおススメです。
記憶や思い出と闘うのは大変です。「捨てる」と決めたらその記憶まで捨ててしまうような気がして、心の中は穏やかではいられません。だからこそ、急いでやってしまいたい!と思うかもしれませんね。
ですが心に負担を掛けることは、少しずつ進めるのがコツ。そうでなければ長続きしません。断捨離も少しずつ継続的に進めることが成功の秘訣です。
完璧に出来ない自分を受け入れることも、断捨離を通じて理想の自分になるためには必要なステップです。繰り返しますが、断捨離はただの片付け術ではありません。色々つまずきながら断捨離を終えた後には、『こうなりたい!』と最初にイメージしたあなたに出会えることでしょう。完璧にする事がゴールではありません。断捨離を通じてなりたいあなたになる事が本当のゴールです。
断捨離が出来たことを友人に伝える

断捨離を進めていくうちに、やはりつらいと思う事も出てきますよね。断捨離をしていく上で避けて通れない『思い出の品を捨てる行為』をつらいと思ってしまう方もいらっしゃると思います。
断捨離をつらい思った時に、モチベーションを維持するために、断捨離をしているということを友人や知人・家族に伝えてみましょう。断捨離という言葉や概念をご存知の方も多いと思うので、「すごいね」「私もやった事がある」などの反応が返ってくるのではないでしょうか。友人と話す中で、断捨離をしていてつらいと思った事や、捨てたくないと感じた思い出をしっかりと言葉に出して手放しましょう。本当に大切なものだけを残してつらいと感じるのは正常な気持ちです。でも、それは過去に対する『執着』かもしれません。
『執着』を手放すためには、つらいと思った事や思い出をしっかりと消化する事が大事です。消化するためには、言語化して誰かに聞いてもらうのが一番効果的です。執着を手放す事ができれば、あなたの断捨離はもう出来ているも同然です。こんな自分になりたい!と思っていたあなたに近づいているのではないでしょうか。
毎日時間を決めて10分だけ進めてみる
断捨離は習慣化することによって、効果的に進める事が出来ます。休日に一気に進めようと思っても、無理をすれば反動で平日は全くやれない・・・なんてことも起こってしまいます。断捨離は、1日10分でも進めていく事が肝要です。10分と時間を決めて、日毎に場所を変えてちょこちょこ進めましょう。10分なら忙しい方でもサクッと取り組めて、続けやすいのではないでしょうか。断捨離を1日10分進めて、効果的に進めていきましょう♪
場所を決めて取り組む
断捨離に使える時間が毎日10分間、とするとそんなにたくさんはできません。場所を決めて取り掛かるといいでしょう。
例えば「今日は洗面台のまわり」と決めたら、昔はお気に入りだったけれど使っていない香水やハンドクリームなど、日ごろは気にしないように、見ないようにしていた「実は使っていないもの」が見えるでしょう。まるで置物のようにずっとそこにあったモノ。それらを選び、捨てるだけで10分間はあっという間です。
小さくても一つの場所で断捨離ができた、ということは自分への自信につながりますし、モチベーションを維持することにも役立ちます。
対象を決めて取り組む
また場所ではなく、対象を決めて取り組むのもいいでしょう。例えば「今日は紙ごみ関係」と決めて、段ボール箱を畳んで紐で縛る、古いカタログ類をまとめて縛る、新聞を整理してまとめる。これだけでも10分間はあっという間に過ぎてしまいます。
リビングに散らばっていた紙ごみが片付いて、幾分すっきりとした長めに、あなたは満足感を得るでしょう。10分間でこんなにできた、という自信にもなります。
断捨離記録をつける
断捨離をしていく上で、モチベーションを保つコツは自分自身で進捗を見える化することです。進捗が見えないと『本当に断捨離が終わるのか?』とモヤモヤした気持ちになり、モチベーションが上がらず断捨離がつらいものとなってしまいます。
断捨離記録で「見える化」を
それでは、どのように見える化するのがいいのでしょうか?
進捗の見える化は、文字でも写真でもイラストでもOKです。文字に残すことで、『自分がこういうプロセスで断捨離を進めている』というモチベーションとなります。また、写真で記録を残せば断捨離が終わった後に見比べて驚くこと間違いなしですよ。自分でどのくらい進んでいるのかがわかると、あとどのくらい頑張ればいいのかがわかるので、断捨離はつらい!と思うことなく進めていけるはずですよ。ぜひ記録をつけながら断捨離を進めてみてください。
これだけやったんだ!と自分の断捨離の成果を写真などで見える化することで、着実に「こうであってほしい」部屋に近づいていることが実感できるでしょう。そしてそれを継続している自分に、満足感を覚えると思います。自分を褒めることも必要です。「頑張ったねえ、私」と声に出して褒めましょう。
そして断捨離記録には、何を捨てたか、そしてその時に何を思い出し、辛かったか、も書いてみましょう。モノにまつわる記憶を書きつけることで、その思いを客観的にすることができます。そうするとモノへの執着から離れ、思いを浄化させていくことができるでしょう。
終わりに・・
断捨離はつらいもの・・あなたにとって断捨離はどんなものでしょうか?断捨離を通して、なりたい自分のイメージに近づけていますか?断捨離はつらいので途中で辞めてしまったという方も、ぜひもう一度チャレンジしてみてください。モチベーションが保てない!と思っている方も少しずつでいいので進めてみてください。断捨離を通じて『こうなりたい!』はあなたしかイメージ出来ないあなただけのものです。そしてそれを実現できるのもあなた自身です。
ワクワクする断捨離を始めてみましょう♪