
あなたの吐き気や頭痛…睡眠不足が関係しているかも
仕事や家事に追われているときに頭痛や吐き気がして、目の前のやるべきことに集中できないなんてお悩みの方も多いのではないでしょうか。
頭痛や吐き気がしていると、色々なことが億劫になってしまって、いつも素早くできることに時間がかかってしまったり、やるべきことができずにただ時間が経ってしまったなんてことも多いですよね。
実はその原因は睡眠不足によるものかもしれません。中には眠っているときにも頭痛があり、きちんと熟睡できないなんて人もいるそう。そうすると更に睡眠不足になり、頭痛や吐き気が悪化するという、悪循環に陥ってしまいます。
そこでなぜ睡眠不足により頭痛や吐き気が発生するのか、またその対処法について詳しく紹介します。原因不明の頭痛や吐き気でお悩みの人はぜひ参考にしてみてくださいね。
睡眠不足で頭痛や吐き気が発生してしまう原因とは?
睡眠不足になると自律神経が乱れてしまいます。この「自律神経の乱れ」が頭痛や吐き気の原因となります。
自律神経の乱れとは?
自律神経は、「循環器・消化器・呼吸器」などの私たちの体の中の活動を調整するために、24時間働き続けている神経のことです。この神経が機能しているおかげで、私たちは寝ている間も呼吸をし、食べ物を消化したりできますが、自律神経は自動で働くものなので、自分自身でコントロールすることができません。
自律神経には大きく分けて2種類あります。
- ストレスを感じたり活動的に行動したり興奮したりする際に優位になる「交感神経」
- リラックスしたり食事をしたり休息している際に優位になる「副交感神経」
睡眠している時は体が休息している状態になるため、副交感神経が優位になります。しかし睡眠不足が続くとずっと活動的に行動している状態、つまり交感神経が優位な状態が続いてしまい交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうのです。
ストレス社会に生きる現代人は自律神経が乱れやすい
現代はストレス社会です。私たちは交感神経が優位になってしまっていることがとても多いのです。特に男性は30代、女性は40代になると副交感神経の働きが低下してしまうそう。副交感神経の働きを上げるよう常に意識することが大事です。
残業には要注意!
自律神経は基本的に規則正しく働いています。朝起きてから段々と交感神経の働きが強くなっていき、夕方くらいから副交感神経の働きのほうが強くなっています。しかし毎日残業で、会社をでるのが毎日夜10時になる生活が続いているとすると、仕事中は活動的に行動する必要があるため、交感神経が夕方以降も働くことになります。
本来なら副交感神経と交代する時間帯なのに、交代せず働き続けることで自律神経が異常な状態、つまり自律神経が乱れてしまし、結果として睡眠不足に陥ってしまうのです。
自律神経の乱れと頭痛や吐き気の関係
実は自律神経には血管を広げたり縮めたりする働きがあります。交感神経が活発になりすぎると、血管が収縮し血流が悪くなります。そして血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまってしまい、頭痛が発生します。また専門家によると、血流が悪くなったことを受け、脳内の脳内物質のひとつであるセロトニンが、血液の流れを促すために分泌されはじめます。このセロトニンが分泌されると血管が拡張するのですが、その際に吐き気をつかさどる脳の部分をも刺激してしまい、吐き気を引き起こしてしまうのだそうです。
自律神経の乱れが原因の頭痛や吐き気の改善方法

頭痛や吐き気が発生した場合、薬に頼りたくなってしまいますよね。でも薬を常用していると脳が敏感になってしまい普通の刺激でも頭痛を感じてしまったり、薬の血中濃度が減少すると頭痛が発生したりと、副作用があるのだとか。
なるべく薬に頼らず生活習慣を見直して改善させていきましょう。詳しくご紹介します。
昼寝をする
10~30分ほど昼寝を取りましょう。昼寝には日中の集中力を高めたり、ストレスを軽減する効果があるといわれています。
最近は会社でも、昼寝を取り入れているところが増えていますよね。数分の昼寝でも効果ありますので、ぜひ試してみましょう。
昼寝の効果が高くなる時間は10~30分と言われています。さらに年齢によって効果的な昼寝の時間は変わります。
- 10代~40代まで⇒10~15分
- 40代以降⇒20~30分
ゆっくりと休めるようになるべく暗くて静かな場所で昼寝をするのが良いですが、布団に入って眠らないように気をつけてください。布団に入って昼寝を始めてしまうとそのまま深い眠りに入ってしまう可能性があります。
特に睡眠不足で疲労が溜まっている人は、長時間眠ってしまう可能性があり、夜寝つきが悪くなるなど睡眠不足が悪化しかねません。デスクに突っ伏して眠るなど、完全に睡眠をとる姿勢にならないことが大切です。また短時間の睡眠の方が起床時の眠気が少なく、起床後もすぐに動きはじめることができます。
会社に勤めている人は、ランチタイムの後に昼寝をすることが多います。それ以外の時間他愛に昼寝をする場合も、夜の睡眠に悪影響を与えないよう、昼寝は午後4時までに終わらせましょう。午後4時以降にも昼寝をしてしまうと体内時計が狂ってしまいます。
昼寝をする前にカフェインを摂ると良い
昼寝後の寝起きを良くするために、昼寝の前にコーヒーやお茶などカフェインが含まれている飲み物を飲むと良いですよ。
コーヒーやお茶などに含まれているカフェインには覚醒効果があります。また覚醒効果が表れるのは摂取してから約30分後なので、昼寝から目を覚ますのに最適です。ぜひカフェインの覚醒効果を取り入れてみてください。
またカフェインには血管を収縮させる働きがあります。頭痛の原因となる拡張した血管を収縮させ、症状を軽減してくれる効果お期待できますよ。なるべく冷やした飲み物を飲んだ方が効果が期待できます。
運動をする
毎日の仕事や家事が忙しい人は運動をする時間をとるのが難しいかもしれません。しかし運動は睡眠不足にも繋がります。運動を習慣にすると体力がつき、より深い眠りに入ることができるようになります。
また運動はストレス解消にもなりますよ!軽い運動をすることで、血流がよくなるので、頭痛の改善に繋がります。
有酸素運動がおすすめ
運動には、ウォーキングやランニング、水泳、サイクリングなどあまり動きが激しくない有酸素運動を取り入れてみてください。日常的に有酸素運動をすることで、血流がよい状態が続くので、頭痛を予防する効果が期待できます。
注意点
体を動かすと頭痛が酷くなる場合があります。こめかみのあたりにズキズキとする痛みがあるときは運動を避けるようにしましょう。また、運動自体がストレスになってしまわないように、無理をせず自分のペースを守って運動しましょう。運動は寝る3時間前までに終わらせて、それ以降は静かに過ごすのを意識すると良いです。
ツボを押す
体にあるツボを押すことで疲労など体の不調を改善することができます。そして睡眠不足によって生じる頭痛を改善するツボもあるのです。
1.天中(てんちゅう)
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後頭部にあるツボです。首の後ろ側の髪の生え際あたりで、二本の太い筋肉(僧帽筋)の外側のくぼんでいるところにあります。
- 両手の親指をツボに当て、残りの指で頭を支えるように頭を包み込みます。
- そして親指に力を入れて5秒ほど押し上げたり、力を緩めて戻したりします。
- この動作を5~10回ほど繰り返してください。
蒸しタオルをツボに当てて温めても効果的です。
2.通天(つうてん)
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通天は頭痛だけではなく、頭や肩、背中の倦怠感にも効果があるツボです。通天は百会から顔側へ指幅2本分斜め前にあります。(百会は左右の耳を結んだ線と顔のてっぺんが交差する場所にあるツボ)
- 両手の中指の腹でそれぞれ左右のツボを頭の中心へと向けて2~3秒押します。
- この動作を10回ほど繰り返してください。
3.完骨(かんこつ)
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耳のすぐ後ろにある出っ張った骨のすぐ下にあるツボです。
- 両手の親指をツボに当て、残りの指で頭を支えるように頭を包み込みます。
- そして親指に力を入れて5秒ほど押し上げたり、力を緩めて戻したりします。
- この動作を5~10回ほど繰り返してください。
入浴をする
気分転換も兼ねてゆっくり入浴しましょう。ゆっくり湯船につかることにより体を温め、頭の筋肉のこわばりがほぐし、血流を良くしましょう。血流がよくなると筋肉内の疲労物質や痛みの原因物質が流れやすくなります。日頃からシャワーではなく湯船に浸かるよう習慣にすると良いですね。お湯の温度は38度から40度程度にして、20分程度みぞおちあたりまで浸かるのがおすすめです。入浴を終えた後はしっかり水分補給してくださいね。
ストレッチをする
デスクワークで疲れた時にストレッチ
睡眠不足で一番多い頭痛は緊張型頭痛です。緊張型頭痛は頭から肩にかけての筋肉の収縮が原因なので、筋肉をほぐすことで改善できます。デスクワークが続いて疲れたら短い時間でも効果があるので、立ち上がってストレッチをしてみてはいかがでしょうか。
夜眠る前にストレッチ
眠る前に布団の上でするストレッチもおすすめです。眠る前にストレッチをすることで体がリラックスし、副交感神経が優位になります。寝つきが良くなりますよ。
おすすめのストレッチをご紹介します。
おすすめのストレッチ①ゴキブリ体操
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仰向けになり脚と腕を天井に上げて、足首と手首を30秒間ブルブルと震わせます。脚は伸ばす必要はなく、膝を曲げます。
おすすめのストレッチ②首と肩のストレッチ
- 布団の上に楽な姿勢で座ります。
- 右手を頭の上に沿わせながら左耳に置き、手の重さをかりてゆっくり頭を右に倒します。
- 同じように左手を右耳に置き、左に倒します。
- 両手の指を頭の後ろで組み、手の重さをかりてゆっくり頭を前に倒します。
どちらも簡単で手軽にできるので、ぜひ試してみてくださいね。
夜の睡眠の前に気を付けたいこと
良質な睡眠をとって睡眠不足を解消するために、下記のことに気をつけてみてください。
夕食は寝る3時間前に消化に良いものを
食事をすると体内では消化活動が始まります。寝る直前に食事をすると、身体は消化活動に集中してしまい、睡眠中に身体を休めることができなくなってしまいます。その結果、睡眠の質が下がり睡眠不足に繋がってしまいます。
食事をしてから消化活動が落ち着くまでは最低でも3時間必要とのこと。3時間前までには食事を済ませるようにしましょう。更に消化に良いものを食べることで消化活動が短くなるため、睡眠に悪影響を与えずに済みます。できるだけ消化に良いものを摂るように心がけましょう。
消化に良い食べ物
キャベツ、大根、白菜、ほうれん草、にんじん、小松菜、カブ、豆腐、鶏むね肉、ささみ、白身魚、鮭、うどんなど
消化に悪い食べ物
ごぼう、れんこん、オクラ、さつまいも、きのこ類、ハム、ソーセージ、赤身魚、海藻類、大豆など
スマホを見ない
気が付いたら布団の中でスマホをいじってしまい、時間が経って睡眠不足になってしまったなんてことありますよね。しかし寝る1時間前以内にスマホやパソコンを触っている人は睡眠の質を落としてしまっています。
スマホやパソコンには、「ブルーライト」という青色光が入っていて、ブルーライトはエネルギーが強く、脳を活発に働かせてしまうそうです。
飲酒を控える
眠る前にお酒を飲むとゆっくり眠れる気がしますよね。でもそれは間違い。アルコールが分解されて発生するアセトアルデヒドという物質が、覚醒度を高めてしまうので浅い眠りになり、睡眠不足に陥ってしまうのです。お酒を飲むのは就寝の4時間前までに済ませておくようにしましょう。
喫煙を控える
煙草にはリラックス効果があるように感じますが、吸い終わった直後から覚醒作用に変わります。良質な睡眠のためには本当は禁煙するのが一番良いのですが、なかなか難しいですよね。どうしても煙草がやめられない人は就寝の数時間前には吸わないようにしましょう。
環境を整える
リラックスして眠れるように、寝室の環境を整えましょう。寝室のインテリアはリラックスし、熟睡できる色を選ぶと良いですね。
- 青
青にはストレスを解消しリラックスさせる鎮静作用があります。カーテンや布団カバーに取り入れてみてはいかがでしょうか。 - 緑
葉っぱなどの自然の色でもあり色相でも中間色といわれる、調和を作る刺激の少ない色です。こちらもリラックス効果が高く、血圧を下げる効果があり頭痛予防になります。インテリアとして寝室に観葉植物を置くのもおすすめです。
布団などあなたの寝具は大丈夫ですか?
私たちが毎日使う寝具。大切な寝具のチェックを怠っていませんか?掛け布団と敷き布団を選ぶときは、「寝返りのうちやすさ」で選んでみてください。寝返りは一晩に15〜20回、多い人だと20〜30回行っていると言われています。同じ姿勢をとっていると血行が滞りますが、寝返りをうつことで血行を促進しているのだそう。ストレスなく寝返りがうてることで血行やリンパが促進され、朝起きた時の頭痛を防止できます。
また布団は適度な弾力性と耐久性があるものがおすすめです。朝起きた時に体に違和感がある人は布団の固さが合っていない可能性がありますので、チェックしてみてくださいね。
まとめ

今回のポイントは、
- 睡眠不足の原因は自律神経の乱れの可能性
- 自律神経の乱れは頭痛や吐き気を伴う場合がある
- 睡眠不足による頭痛や吐き気の改善のために生活習慣や生活環境の見直しを
睡眠不足は私たちの健康と非常に密接していることがわかりましたね。ご自身の生活を振り返って、改善点がないか考えてみてくださいね。まずはあなたができることからはじめてみてはいかがでしょうか。